で、スローファッションに出会った。
ずっとおしゃれになりたいと思いつつ、おしゃれに苦手意識がありました。
買い物も、疲れるし、何が欲しいか分からないので、あまり好きではありません。
でも、「着る服がないー」っていつも悩んでいました。
振り返ると…
高校生の頃は古着が好きな友達と、なぜ人にはこんなに服が必要なんだろうね、と話した記憶があります。
おしゃれをしてる子が眩しかったけれど、エコにも興味があったので、ミニマムに暮らしたいとも思っていて、そんな会話になったのだと思います。
大学生の頃はお金がなくて、同じ服を数着繰り返し着ていました。
母に買ってもらったのか、自分で買ったのか忘れてしまったけど、DO FAMILYの花柄のVネックのTシャツが大好きで、色褪せるまで着ていたなぁとか、無印で買ったベージュのボーダーTシャツは好きなわけじゃなかったけど無難だからよく着てたなぁとか。
周りのおしゃれしてる女子は一体どんだけお金持ちなんだ!?と思っていました。
就職してからは、そこそこお金も使えるようになったので、通勤途中の横浜駅で、それなりに服を買いました。
お気に入りのお店、お気に入りの店員さんを見つけて、仕事に行く服はそれなりに揃ったけれど、「かわいい!」と思えて、お手頃価格であれば買う、というくらいの考えでした。
憧れのブランドはいいなぁと思っても、もっとお金持ちが買うものだと思っていました。
その後、地方に転勤になり、服屋さんと縁遠くなり、また適当な服を着る日々になりました。
その頃、パタゴニアに出会い、いいなぁと思ったものの、私のような庶民には縁遠いものだと思っていました。
パタゴニアでもアウトレットなら買ってもいいかなと思い、色の気に入らないフリースを買いましたが、やはり色が好きになれず、今はもう手放してしまいました。
結婚して、パートの身となってからは、自分に使えるお金がほとんどなくなってしまい、安い服でもめったに買えない状況になりました。
たまに気に入った服を買っても、気に入っていればいるほど、安い服はすぐにボロボロになってしまう…。
それが、とても悲しく感じました。
その後、ひょんなことから正社員に戻り、お金に少し余裕ができてきて、昨年は年に15万円くらい服や靴に使ったと思いますが、それでも「着る服がない!」と思いました。
これは、お金をかけるとか、かけないとか、そんな問題ではないのでは、と思い、DROBEを試したのですが、それもなんか違うと思ったのは、前回の記事のとおりです。
ちなみに、これまでの買い物の考え方は、こんな感じです。
(1)まず1週間で必要な服の数を考えます。
(2)1つのアイテムは3年ごとに買い換える必要があると仮定し、1年の間に買う必要のある服やアイテムの数を考えます。
(3)だいたいの予算を考え、必要な服やアイテムの数で割り、1着の服、1つのアイテムごとの予算を決めます。
(4)予算に見合い、必要で、気に入ったものがあれば買います。
必要な服の数を考えるとき、ミニマリストの方のブログを参考にしたりもしましたが、自分の中で、同じような服を着るよりは、違うものを着るべき、日々のスタイルはバラエティに富んでいるべきと思ってる節がありました。
例えばブラウスであれば、白、ストライプ、花柄、水玉というように、同じような服を持たないということを一番に考えていました。
そのようなルールの中で、予算内に収まるものを買おうと思うと、形や品質は妥協せざるを得ず、その結果、あまり気に入らない、すぐダメになる安い服ばかりとなっていました。
安すぎる服はすぐダメになるからよくないと思っていても、値段の呪縛からはなかなか逃れられませんでした。
少し高めの服を買おうと思うようになってからも、そうでした。
たとえば、ワンピースを買いに行った時、2つのワンピースで迷いました。
本当はAのワンピースがいいと思ったのですが、3万円近くするので諦め、似たような雰囲気の1万2千円のBのワンピースを買いました(いい服を買う、の記事でのことです)。
けれど、昨年末ビルケンシュトックに出会い、値段に対する見方が少しずつ変わってきました。
ビルケンシュトックも、今まで高いから自分には無縁と思ってきたブランドです。
けれど、履いてみたらこの履き心地は唯一無二だと思いました。
聞けば修理していけば、10年は軽く履けるらしい。
この品質で、そんなに長持ちするのならば、むしろこの値段は安い!と思いました。
そこで思ったのは、いいものってあるんだなあということです。
それぞれの人にとっていいものは違うと思いますが、その人にとっていいものはある。
今まで私は、値段で妥協して、似て非なるものを買っていたんだと思いました。
ワンピースの例で言えば、似たような雰囲気ではあっても、本当に気に入ったAのワンピースとは違うので、後々、やっぱりAのワンピースを買えばよかったなぁと何度も思いました。
そう、私が買っていたのはいつも、似て非なるもの、だったのです。
似て非なるものではなくて、自分にとっていいものを少しずつ手に入れて、大切にして、長く使いたい。
それが、私がしたいおしゃれなんだ、と初めてハッキリ分かりました。
それまでは、バラエティ豊かな格好をしなきゃいけない、何年も同じ服を着ているなんておかしい、そんな風に思っていました。
でも、私はたくさんの服はいらないし、まだ着られる服を捨てたくない。
同じ服をずっと着てもいいんだ、と目からウロコが落ちました。
少しずついいものを買うのなら、しょっちゅう買い物に行く必要もありません。
調べるうちに、そういうおしゃれをスローファッションというのだと知りました。
そうそう!スローファッション!
私はこれからスローファッションで行こう。
憧れのブランドもこの目で確かめて、値段ではなく、心から自分が欲しい、いいものだと思うかどうかで決めようと思いました。
予算についても考え直しました。
今までは、自分のおこづかいの中で予算に余裕ができたら、とりあえず服を買う予算にまわしていました。
でも、私は自分のおこづかいをおしゃれだけでなく、旅行のための積立貯金にも回したいと思ったので、年間予算を134,000円としました。
そんな予算でいいものを買おうと思ったら、本当にたまにしか買い物できないし、買う時もよく考えます。
今年になって、まず、ビルケンシュトックを買い、その後、着やすいシンプルなブラウスを買ったので、今はパタゴニアのレインウェアを買うためにお金を貯めています。
時々無性に、安い服でいいから服を買い漁りたい!と思ってしまうこともありますが、似て非なるものはもう買わない、ゆっくり少しずつお気に入りを揃えていこう、旅行にも行きたいしね、と自分に言い聞かせています。