スローファッションの敵は人の目!?
相変わらず服の本を読んでいます。
買い物が嫌い、だから、おしゃれも嫌いなんだと思っていましたが、私は服に興味があるみたいです。
生まれてからずっと身につけるものですしね。
裸で生まれてくるのに、その直後からほとんど裸になることはないって、考えてみると、とても不思議なことです。
今、読んでいる本はこの本です。
この本は2014年が初版です。
2001年くらいの中国に乗り込んで、縫製工場を見て回って書き上げられたルポです。
当時、すでに中国人もどんどんおしゃれになって服をたくさん買うようになっていること、中国で作るコストも上がっていることなどが書かれています。
今はさらに状況は悪化しているのではないかと思いました。
かなり長い本ですが、ファストファッションの問題点が網羅されている、よい本です。
著者の熱意を感じます。
高い服はどんどん高く、逆に安い服はどんどん安くなっていて、二極化が進んでいること。
薄利多売方式の維持のため、消費者は安い服をたくさん買わされるようになってきたこと。
昔、服は自分で作るものだったし、既製服が普及してからも服についてそれなりの知識を持っている人が多かったので、生地や縫製で服の良し悪しが判断できる人が多かったけれど、今は多くの人がデザインと値段でしか服を選ばなくなっていること。
安いからとりあえず買っておいて、気に入らなければ捨てたり寄付したりすればいい、と思っている人が多いけれど、すでに服はリユース不可能な量が生み出され続けていて、ほとんどがゴミになるしかないこと。
そして、大量の服が生み出される過程で、自然も資源も人も損なわれていること。
最後は、自分で服を作ったり、繕ったりしている人を取材していて、服のことを考えていくと、行き着くところはそこなんだ!と嬉しくなりました。
一年間一枚の服で暮らす「ユニフォーム・プロジェクト」、着る服のアイテムを6点以下に絞り一ヶ月それだけを着て過ごす「シックス・アイテムズ・オア・レス」などのプロジェクトを知れたことも面白かった。
最近、3ヶ月33アイテムで暮らすという「プロジェクト333」というものを知ったのだけど、そういう試みをしている人がいると知ると励みになります。
なんといっても、少ない服で暮らすことの最大のネックは、人の目だと私は思っているからです。
「あの人、いつも同じ服着てる」って思われてるんじゃないかという、勝手な妄想で自分を責めそうになるから、こういうプロジェクトに取り組んでる、仲間もたくさんいる、って思えるのはいいなって思います。
私もスローファッションで、慎重に選んで買う量を減らし、繕ったりリメイクしたりしながら長く着る、を実践したいと思います。
そうそう、この本もとてもよかったです。
銀さんも、服の物持ちがいいそうで。
たまにしか服を買わないけど、いい服を大切に着ているんだなぁと感じました。
こんなふうに歳を重ねたいです。